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糖尿病神経障害に負けない!

2型糖尿病で糖尿病神経障害がある女性患者のブログです。

糖尿病神経障害とインスリンの関係は?

糖尿病神経障害とインスリン

低血糖も糖尿病神経障害を悪化させる!

糖尿病で血糖値が高い状態が慢性的に続くと、神経細胞の中にソルビトールという物質がたまったり、細い血管の血流が悪くなり神経細胞が必要としている酸素や栄養が行きわたらなくなることによって糖尿病神経障害が起きると考えられます。

「血糖値が高いのが良くないなら薬を飲んだりインスリンを注射して血糖値を下げればいいじゃないの」と思いがちですが、そう簡単なことでもないらしいです。

じつは慢性的な高血糖だけではなく、短時間の高血糖と低血糖もまた神経障害を引き起こす可能性があるんですって。

 

 

短時間の低血糖が起きる原因と言えば、なんといってもインスリン注射をして食事の内容や量が注射とうまくマッチしなかったときが多いですよね。

特に自律神経障害がある場合は、食べたものの消化吸収のタイミングが不安定になり、血糖上昇とインスリン注射の効果がズレて高血糖や低血糖を起こしやすくなります

ちなみに低血糖は眼底出血のトリガーにもなることが分かっています。高血糖だけではなく低血糖もなるべく避けるようにしなければいけません。    

インスリン注射にもいろいろありますが…

ヒトが生きていくために必要なホルモンのいくつかは血糖値を上げる働きがありますが、血糖値を下げるホルモンは「インスリン」だけです。

血糖値が上がりすぎてしまうのを防ぐために、何も食べていないときでも少量のインスリンが常に分泌されています。これが「基礎分泌」です。

そして食事をして血糖値が上昇すると、これに対応するために大量のインスリンが分泌されます。これは「追加分泌」です。

血糖値が高すぎても低すぎても体に有害だからこそ、体は血糖値を狭い範囲内で一定にキープしようと頑張ってくれているわけです。

 

 

1型糖尿病では自分のリンパ球(白血球の一種)が誤ってインスリンを分泌するベータ細胞を破壊してしまうためにインスリンを分泌できなくなります

2型糖尿病では生まれつきの体質(遺伝)に後天的な何らかの原因が加わってインスリンの効きが悪くなったりインスリン分泌量が低下して血糖値を十分に下げられなくなります

基礎分泌が足りないと、何も食べていないときの血糖値も高くなります。特に1型の方は基礎分泌をインスリン注射で補わないと生命の危機に陥ってしまいます。

基礎分泌を補うタイプのインスリン注射は、間違えて大量に打ってしまわない限り重症の低血糖を起こしにくいです。私も糖尿病と診断されて7か月ぐらい注射していましたが低血糖になったことはありませんでした。

 

 

しかし食後の追加インスリンを補うタイプのインスリン注射は、うっかり食事と「合わなかった」ときに高血糖や低血糖を起こす可能性が高いです。

健康な方のベータ細胞が絶妙のタイミングと量で分泌するインスリンとは違い、外から注射でいったん打ってしまったインスリンは多すぎたとしてもどうしようもないですもんね。

「低血糖になったらブドウ糖をなめましょう」というのはあくまでも対症療法です。本当は低血糖をなるべく起こさないようにするべきです。

1型糖尿病で基礎分泌インスリンを注射しながら糖質制限をして追加分泌インスリン注射の量をなるべく少量で済むように頑張っている方たちがいらっしゃるのは、血糖値の乱高下を少しでも減らすためです。

 

なぜ低血糖も糖尿病神経障害を悪化させるのか?

高血糖だけではなく、短時間の繰り返す低血糖も神経細胞に酸化ストレス(活性酸素が細胞に害を及ぼす)増加とアポトーシス(細胞が死ぬこと)を引き起こすことが分かりました。

紫外線、放射線、大気汚染、たばこ、薬剤、運動のやりすぎ、ストレスなども酸化ストレスの原因になることが分かっていますので気を付けたいですね。

そしてこの酸化ストレスに対して、ω-3多価不飽和脂肪酸(青魚に多く含まれるDHAやEPA)が神経細胞を保護する働きをする事も分かったそうですよ。

 

 

だから血糖値が大きく乱高下するような食べ物(砂糖、清涼飲料水、パン、お米、麺類、イモなど)をなるべく控えて青魚や抗酸化物質豊富な緑黄色野菜などをしっかり食べると良いかもしれません。

できれば血糖値を細かく記録したものを持って、主治医に相談してみるといいですね。ただインスリンや薬の量を増やせばいい、という風におっしゃる先生だとちょっと心配かな…

なお先ほど書いた通り「基礎分泌」を補うためのインスリン注射は食事とは無関係に必要な方には絶対に必要なものなので、勝手に減らしたりやめないようにくれぐれもご注意くださいね!    全記事リスト