起立性低血圧ってどんなもの?
「起立性低血圧」とは、たとえば寝ている状態から急に立ち上がった時などに血圧が低下してふらつきやめまい、動悸、時には失神することもある症状です。いわゆる「立ちくらみ」です。
立ち上がると血液のうち500~800mlは下半身に移行するそうですが、こうなると血圧が下がってしまうのでそうならないように健康な人ではうまく調節が行われて立ち上がっても血圧が維持されます。
ところが何らかの理由でこの調節がうまくいかない方では、立ち上がると血圧が下がったままになってしまうわけです。
起立性低血圧はいろいろな病気や薬の副作用として起こることがあるのですが、糖尿病神経障害から起立性低血圧が起きる場合があります。
血圧のコントロールには自律神経が重要な役割を果たしているので、糖尿病で自律神経障害が起きると血圧のコントロールができなくなり、立ち上がるときに上半身の血圧が急激に下がって立ちくらみが起きます。
糖尿病性の起立性低血圧は、糖尿病にかかってからの期間が長く網膜症や腎症のある痩せ型の50代以降の男性に多い傾向があるそうです。
また過度のストレスにさらされている状況だと起立性低血圧が起きやすくなるそうです。糖尿病神経障害があって仕事のストレスもあるとなると、本当に辛いですよね…
そして、蒸し暑い季節にはさらに低血圧が悪化する傾向があるようなので、もう本当に私たちは気を付けなければいけません。
糖尿病神経障害による起立性低血圧のここが危険!
糖尿病による起立性低血圧がある患者さんの約半数は自覚症状を感じておらず、自分がそうであることに気づいていないそうです。
また起立性低血圧があると糖尿病網膜症が悪化しやすいそうです。急激な血圧変動が網膜の血管に作用し、出血を引き起こす場合があるそう。
高強度の筋トレなどで急激に血圧が上昇するのも、神経障害による起立性低血圧で急激に血圧が低下するのもどちらも良くないということですよね。
私が勤務していたスポーツクラブでは、お客様がバーベルを勢いよく置いた直後に倒れて大騒ぎになったこともありました。急激に血圧が上がって急激に下がったのでしょうね。
そして恐ろしいことですが、糖尿病神経障害で起立性低血圧がある患者はそうでない患者と比較して「突然死」する確率が高くなります。
インスリン注射をしていて何度も低血糖を起こしている糖尿病患者さんでは、やはり突然死する確率が明らかに高くなります。
起立性低血圧があると、普通は低くなるはずの夜間の血圧が高くなりやすいそうです。このことが脳や血管の病気や突然死につながります。
私は5年半前に糖尿病性ケトアシドーシスで入院して検査を受け「自律神経障害があるね」と言われました。CVR-R検査で正常値3~5のところ1.55とかなり悪い数値だったのです。特に立ちくらみなどの症状は自覚していなかったのですが…
糖尿病神経障害による起立性低血圧は治る?

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